みやぎの酒造り

宮城の酒の歴史

宮城の酒づくりのルーツ


宮城の酒は慶長9年(1604)に、亘理の武田源左衛門が町酒屋として酒造を始めたものが記録が残されている中では最初とされています。

その数年後の慶長13年(1608)には、食通で酒をこよなく愛した仙台藩祖・伊達政宗公による仙台藩の御用酒屋がスタートしました。

政宗公は、柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)の仲介により、大和(奈良)の榧森(かやのもり)に住んでいた又五郎に「榧森又右衛門(かやのもり またえもん)」の姓名と十人扶助、切米十両を授けるとともに、青葉城三の丸の南に酒造蔵と住居を与え御用酒屋を始めました。酒造蔵は、政宗公自らが縄張りしたと伝えられています。

榧森家は、初代又右衛門から十二代に至るまで御酒御用を務め、その醸造する酒は、夏氷酒、忍冬酒、桑酒、葡萄酒、印籠酒等二十数種にも及び、仙台領内の醸造技術の発展、向上に多大なる影響を与えました。藩御用達酒屋の発展とともに、仙台城下では町酒屋も登場し、お互いに酒造技術を競い合う中で、宮城の酒づくりは磨かれていくことになりました。

宮城県酒造組合の設立

藩政時代から、お酒は貴重な財政の基になっており、それが明治期にも引き継がれ、国家財政に大いに寄与してきました。県内各地に酒造組合が設立されたのは、明治17年(1884)に「同業組合準則」が公布された後のことです。明治27年(1894)の日清戦争、明治37年(1904)の日露戦争の際には戦費の大半を酒税が支えたとされています。明治29年(1896)の酒造税法、明治31年(1898)の一部改正により、法的に酒造組合が設置され、政府の監督下におかれました。

明治41年(1908)宮城県酒造組合が設立されました。初代会長には武田吉平氏が就任、以後官製の組合として現在の15代目伊澤平藏へと続いています。

 

仙台藩御用酒発祥の地

宮城県酒造組合では昭和55年、設立70年記念事業の一つとして、御酒蔵跡と名水の湧出する地に県産酒の源流として「仙台藩御用酒発祥の地」の石碑を建立いたしました。

 

石碑の場所はこちら https://maps.app.goo.gl/JrLnBW1Zac7JbGKWA

 

 

みやぎ・純米酒の県宣言

全組合員が足並みを揃え、ササニシキ100%の純米酒造りを始めることになり「いい酒・うまい酒造りに努めることを約束します」と、昭和6111月に「みやぎ・純米酒の県宣言」を行いました。

また「仙台城内に自らの縄張りをして酒蔵を造り、杜氏を呼び寄せ酒造りを始めたお酒好きの伊達政宗公」にちなみ「政宗公が飲んだ酒10000本プレゼント」を実施し大きな反響を呼びました。

東日本大震災の発生

2011年3月11日、東北地方に大震災が発生し、宮城・福島・岩手に特に大きな被害が出ました。

宮城の蔵元25社においても、全壊判定6社、大規模半壊3社、半壊14社という被害を受け、一部の蔵元では被害の大きさに廃業も意識していました。

しかし、宮城県、国税局、国や関係機関、そして一般の消費者の皆様から温かいご支援をいただき、震災当時から現在まで1社も欠けることなく存続できています。皆様には大変お世話になり感謝しきれません。

 

宮城の酒の特徴

南部杜氏の技と心

現在、宮城の酒蔵で活躍している杜氏のほとんどが南部杜氏です。藩政時代に登場して以来350年余の歴史を持つ南部杜氏は、越後杜氏(新潟)、丹波杜氏(兵庫)と並ぶ日本三代杜氏の一つ。その仕事エリアは東北だけに限らず、山陰と九州を除く日本全国にわたり、確かな技と熟練の仕事で信頼を高めています

毎年11月から翌年4月までの6ヶ月間、杜氏の仕事は休みなく続きます。蒸米から始まって麹づくり、酒母づくり、醪づくり、三段仕込みと、黙々と酒づくりに向かう杜氏の意気込みが、蔵の中で豊饒の夢をゆっくりと開かせていくのです。

約9割が高品質酒

宮城の酒は全国屈指の高品質。昭和61年11月に「みやぎ・純米酒の県宣言」を行って以来、高品質な「特定名称酒」の製造比率を高めてきました。現在では宮城の酒は約9割が特定名称酒であり、全国の平均約4割、東北の平均約7割を凌いでいます。

 

世界から注目を浴びる「SAKE」

平成13年(2001)から開催されている「全米日本酒歓評会」と、その受賞酒を利き酒するイベント「ジョイ・オブ・サケ」は毎年大盛況。ロンドンで行われる世界最大規模のワイン品評会「IWC」インターナショナル・ワイン・チャレンジや、フランスのトップソムリエが審査を行う「Kura Master」が日本酒部門を創設するなど、日本酒の認知度と評価は世界で高まっています。海外の品評会で宮城の蔵元は受賞を重ね、近年はIWCやKura Masterで最高賞を受賞するなど、確かな実績を残しています。

熱心なサポーターの支え

日本酒愛好家の集まりで、利き酒会やイベントに足しげく通ってくれる「日本酒サポーターズ倶楽部・宮城」会員の皆様など、宮城の酒は熱意あふれるたくさんのファンに支えられています。宮城の酒を愛する人たちの輪は着実に広がっています。

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