宮城の蔵元一覧
[ 塩釜市西町 ]
阿部勘酒造
Abekan Shuzou
主要銘柄
阿部勘/於茂多加男山/四季の松島
塩竈の歴史を礎に
「阿部勘らしさ」を求め
レベルアップを目指す
阿部勘酒造の創業は、享保元年(1716)。鹽竈神社への御神酒御用蔵として酒造りを行ったのが始まりで、平成28年(2016)には300年の節目を迎える、歴史ある酒蔵だ。
つねに「食事を引き立てる名脇役の酒」を追求してきた同酒造店。そのなかでも、すっきりタイプの銘柄「於茂多加(おもたか)」と、やや旨みを強調し個性を出した銘柄「阿部勘」を造り分けてきた。「時代の流れにしたがってお客さまの嗜好に合わせるうち、於茂多加、阿部勘の性格が近づいてきたんです。それならばいっそのこと『すっきりしたなかに旨みのある酒』と狙いをはっきりさせ、銘柄を蔵一番の自信作にしぼることにしました」
そう語ってくれたのは、同社専務の阿部昌弘さん。平成24年(2012)から銘柄は「阿部勘」に一本化され、山田錦、亀の尾、ひより、蔵の華など、米の違いで個性を味わえるラインナップがそろった。
「いまはこの『阿部勘』をレベルアップして、お客様に銘柄のイメージをつくってもらうことを第一に考えています」
経験を蔵の力に
新たな造りへチャレンジ
レギュラー商品の精度を上げることに力を注ぐ一方、平成25年(2013)は「阿部勘らしくない酒」をコンセプトとするまったく新しい酒造りにも挑戦した。華やかな香り高い酒、極甘口の貴醸酒、初めて扱う米を使った酒の3種類が誕生したが、いずれも試験醸造酒の性格で、1期だけの限定酒として販売された。
「この経験をレギュラー酒にも活かしたい」と張り切る阿部専務の傍らで、「楽しみながら造れました」とにこやかに話す杜氏の平塚敏明さん。平成18年に杜氏に就任し、25年は8年目のシーズンとなる。「ここ数年、視野が広がり、考える余裕が出てきました」と語る平塚杜氏の明るい表情を見ていると、蔵の今後に期待せずにはいられない。
Information
蔵元情報

蔵見学 | 不可 |
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