宮城の蔵元一覧
[ 大崎市松山 ]
一ノ蔵
Ichinokura
主要銘柄
無鑑査シリーズ/特別純米シリーズ/すず音
宮城県最大の規模を誇るも
家族的な温かい社風から
柔軟な発想の新酒が続々と
米どころとして名高く、良質な地下水が流れる大崎市松山に蔵を構える一ノ蔵。生産量は1万3000石、社員数170人以上という県内随一の大手蔵元だ。建物の外観は機械化した工場を想像させるものの、蔵内に入ると人の多さが目につく。いまでも甑(こしき)を使った蒸米や麹こうじ蓋ぶた、麹箱を用いた麹造りなど、手づくりによる酒づくりを大切にしている。
「(発酵の主役である)微生物が、毎日気持ちよく育つ環境を整えるのが酒造り。人の手で醸し、最後に神様が味をのせてくれるんです」。マーケティング室の永井靖二さんは同社の酒造りへの思いをそう語る。だからこそ、蔵人たちは毎朝神棚に手を合わせてから作業に入る。
さらに「ものづくりは人づくりなんです」と杜氏の門脇豊彦さん。肝となるのは技だけでなく、そうした感性なのだろう。
家族的な温かさのある社風から、柔軟で先見性のある取り組みが次々に生まれてきた。昭和52年(1977)、審査基準があいまいで、酒税額と品質の不一致を生み出す当時の級別制度に異を唱え、良い酒を安く飲めるよう「無鑑査本醸造(R)」を発売した。また、日本酒業界の活性化を目指し、30年以上前から低アルコール酒にも積極的に取り組み、「ひめぜん」「すず音」などの画期的な商品を発表。日本酒が苦手な層にもファンを増やしてきた。
安全・安心は美味しさの基本
自然保護や環境保全米を推進
一ノ蔵は創業当初から酒造りの原点として、自然との共生や地域振興を重要視している。大吟醸などに使う山田錦を除き、「蔵の華」「ササニシキ」「ひとめぼれ」など地元産の米を使用。地元の契約農家さんらと連携した松山町酒米研究会では、酒造好適米の栽培に取り組むほか、一ノ蔵農社を立ち上げて環境保全米の栽培も積極的に行っている。
Information
蔵元情報

蔵見学 | 要事前予約 |
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蔵のイベント等 | 一ノ蔵日本酒大学(3月下旬頃1泊2日)、一ノ蔵蔵開放(4月下旬)、いちのくら微生物林間学校(7月下旬。小学校5・6年生対象)、一ノ蔵を楽しむ会(4月大阪、5月札幌、6月福岡、10月名古屋、11月東京) |