宮城の蔵元一覧
[ 栗原市一迫 ]
金の井酒造
Kanenoi Shuzo
主要銘柄
綿屋
清冽な「小僧山水」と
全国各地の原料米を駆使し、
食材に合う酒を追求する
地元中心だったとても小さな酒蔵が心機一転し、新たなブランド「綿屋」として登場したのは平成8年(1996)のこと。蔵を引き継いだばかりの4代目・三浦幹典(もとのり)は、日本酒業界に「食中酒」という概念がまだ定着していなかった時代に、食事とのマッチングに主眼を置いた酒造りを進めた。より料理と仲睦まじく、両者一体となる関係性を望んだことから、「食仲酒」という表記を好んで用いており、出汁を取った料理と調和するような、少し酸度が高く、米由来の甘みがあるキレイな酒を追求し続けている。
当初地元ではなかなか芽が出なかった「綿屋」は、大阪の出汁文化との出会いをきっかけに大阪をはじめとした関西、首都圏で出汁や食材の味を引き立てる日本酒として進化し、徐々に受け入れられ、今日に至る。
全国に広がる契約農家や
地元農家との協力・研磨
そんな「綿屋」のこだわりは、清冽な仕込み水。蔵から3km離れた山中から引く「小僧山水」は、硬度が高く、少し発酵力は強くなるがやわらかな酒質に仕上がる。
酒米の多様性もこだわりのひとつである。徳島の阿波山田錦、岡山の雄町、広島の八反など、全国の酒米を採用している一方で、地場産米を使った酒造りにも力を注いでいる。
仕込み水と水源を同じくしている栗原市一迫地区の山田錦や、トヨニシキ、涌谷町で栽培している有機栽培米「黒澤米」などで酒を仕込む取り組みは、スタートしてから10年以上が経過し、現在ではそれらのお酒が持つ特徴に合わせ、多様なジャンルの飲食店で食仲酒としての支持を得ている。蔵元と米農家は一心同体であると考え、真剣に米づくりをする人たちとどう向き合うか、その関係づくりをもっとも大切にしているのである。
Information
蔵元情報
大正4年(1915)、製材業を営んでいた初代・三浦順吉が酒造りを始めた。当初の銘柄は「金の井」。昭和62 年(1987)に4 代目となる三浦幹典・現社長が蔵に入り、平成8年(1996)に南部杜氏を迎え、酒造りを始めた当時の屋号だった「綿屋」を銘柄とした。
蔵見学 | 不可 |
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