宮城の蔵元一覧

メイン画像

[ 柴田郡村田町 ]

大沼酒造店

Onuma Shuzoten

主要銘柄

乾坤一

商品写真

手間もコストもいとわず
県産の飯米にこだわった
本当の意味での「地酒」を醸す

紅花商で栄えた蔵の町にしっとりとなじむ店構え。創業300年、銘柄「乾坤一」で知られる大沼酒造店は、歴史情緒が色濃く残る町並みのシンボル的存在でもあり、その味とともに地元に愛されてきた。
「乾坤一」は、ササニシキを原料米に用い、やさしい旨みとキレの良い味で知られる。昭和の地酒ブームの折、地元の米と水、人を生かしてこそ本当の地酒との考えから、他県産の酒米を県産のササニシキに切り替えた。
当時はまだ県産の酒造好適米がなかったこともあったが、コストが高く扱いが難しい飯米での酒造りを地道に続けたことは、結果的に蔵の個性になった。いまではササニシキのほか、明治から昭和にかけて栽培された「愛国」や、ササニシキの交配親に当たる「ササシグレ」なども使用している。
また、平成18年(2006)には南部杜氏の資格を得た宮城県出身の菅野幸浩さんが杜氏に就任し、名実ともに地酒と呼べる酒造りが実現した。

  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3

震災で蔵に大きな損傷も
手づくりの姿勢は守り抜く

東日本大震災で蔵が大きく損傷したため、大規模な改修工事を行ったが、甑(こしき)による蒸米など手づくりによる酒造りという基本姿勢は変えることなく、より良い酒質を目指し、工程の大部分を空調管理できるようにするなど設備を改善した。
「いいものを造り、思いをのせて手渡すように売りたいですね」と取締役の久我健さん。現社長の大沼充さんの甥に当たり、次世代を担う蔵元として注目されている。
「田んぼを見ていると造りたいお酒のイメージが湧くんです。品種やその個性、周囲の景色も含めて味に表現したい」
その感性で3年前から取り組んでいる「うすにごり」は、ササニシキの米の旨みと酸味に加え、やわらかな口当たりとフレッシュさのある酒として好評を得ている。

Information
蔵元情報

外観写真

大沼酒造店

宮城県柴田郡村田町村田字町56-1

お問い合わせ Tel : 0224-83-2025

正徳2年(1712)創業。当初の銘柄は「不二正宗」。明治3年(1870)に蔵を視察に訪れた松平正直・初代宮城県知事から提案を受け「乾坤一」に改称した。「乾坤」は易学で陰と陽、あるいは天と地を指す言葉。
蔵見学 不可

このページを
印刷する