宮城の蔵元一覧
[ 塩竈市本町 ]
佐浦
Saura
主要銘柄
浦霞
全国にその名を轟かす
卓越した杜氏の技術が支える
漁業の町・塩竈の名酒
古くは歌枕の地として都人の憧れだった塩竈。国内有数のマグロの水揚げがあることで知られる漁業の町だが、さらに「名酒あり」と、その名を広めているのが「浦霞」醸造元の佐浦だ。江戸末期から明治初期に建てられた蔵は、門前町の町並みに風格あるたたずまいを見せる。
浦霞の味を支えてきたのは、平野佐五郎、重一の名杜氏。叔父と甥の関係にある2人が得意とする香り高い吟醸酒は、毎年のように各種鑑評会で入賞を重ねた。名誉杜氏、故平野重一さんの卓越した技は、銘酒「浦霞禅」を生んだ。戦後の日本酒のイメージを変える淡麗辛口の逸品で、その後の吟醸ブーム、地酒ブームの先駆けとなった。
浦霞禅のヒットを端緒に増産が続き、三季醸造に転換。さらに高品質の酒を安定供給するため、東松島市に第2の蔵として矢本蔵を建設。現在、本社蔵を⾚間勲杜⽒が、⽮本蔵を髙橋敬冶杜⽒が浦霞の酒造りの技と精神を受け継いでいる。⻑年、本社蔵杜⽒として故平野重⼀ 名誉杜⽒の指導のもと浦霞の酒造りを導いてきた⼩野寺邦夫杜⽒は、本社蔵 総括杜⽒として後進の指導・育成に努めている。
地域とのつながりを背景に
国内外へ日本酒文化を発信
代表取締役社長の佐浦弘一さんは、「多様化の時代、日本酒文化を次世代につないでいくには、地域性が他との差別化のカギです」と今後を見据える。
県内の蔵の中では早くから海外に目を向け、意欲的なPR活動を続けてきた。しかし、東日本大震災をへて、地域とのつながりの大切さをより強く感じたとか。「国内外に地域の気候、風土を醸す日本酒文化の豊かさ、塩竈の食文化の発信に努めたいですね」。
Information
蔵元情報
佐浦家初代富右衛門は、当初麹製造業を営んでいたが、享保9年(1724)に酒造株を譲り受けて創業。のちに仙台藩主伊達家の崇敬篤かった陸奥国一之宮・鹽竈神社に御神酒を奉納するよう命じられる。以来、御神酒酒屋としても酒を醸し続けている。当初は「八雲」「富正宗」「宮城一」といった銘柄を製造していたが、大正時代に、塩竈を詠んだ源実朝の和歌から「浦霞」の名称が生まれ、昭和に入って一本化された。平成6年(1994)には第2蔵となる「矢本蔵」(東松島市)が完成。
蔵見学 | 蔵の建物や歴史について外観からのご案内する蔵ガイドを行ってます。製造工程の見学及び説明はございません。 中止の場合もございますので詳細はお問合せ下さい。 |
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蔵のイベント等 | うらかすみ日本酒塾(9月〜3月) |