宮城の蔵元一覧
[ 黒川郡大和町 ]
大和蔵酒造
Taiwagura Shuzo
主要銘柄
雪の松島/大和蔵
最新設備と手づくりの技は
組み合わせてこそ生きる。
目指すは純米酒による底上げ
大和蔵酒造は、平成8年(1996)に誕生した新しい蔵元。当初は最新鋭の設備を導入して機械化に力を注いでいたが、平成19年(2007)に解散した宮城酒類(仙台市泉区)の看板銘柄「雪の松島」を引き継いだころから、人の手による工程を増やしてきた。当時使用していた全自動製麹機では、同銘柄の人気商品である日本酒度+20の「超辛」を再現するのが難しかったからだ。
さまざまな分析を重ねた結果、「超辛」の酒を醸すには強い麹が不可欠であり、そのために最新の全自動製麹機からあえて人の手のかかる半自動製麹機に切り替えた。さらに現在に至っては、吟醸用の麹室がつくられ、こちらは完全に手作業だ。
創業から蔵を支えてきた前杜氏である佐々木政利氏はこう語っている。
「酒造りの工程を一から再認識したうえで、手作業と機械、それぞれの良いところを最大限活かせるような試行錯誤をくり返してきました。蔵人たちには、実際に手で触れて感覚的に覚えるよう指導しています。それが酒造りの役にたつんです」
杜氏の思い、引き継いで。
「昔ながらの麹、醪などの手作業をこなすことにより、この蔵に働くみんなが南部杜氏流の技術を学びながら酒造りに取り組んでいます。」現在、雪の松島を醸造する責任者として活躍しているのは、令和3年(2021)8月に杜氏となった関谷海志氏である。関谷杜氏の父もこの業界で長く務めた方だったため、子供の頃から酒造りを身近に感じ、背中を追って平成26年(2014)に蔵に入った。佐々木杜氏の元で酒造りに励み、令和3年(2021)には南部杜氏試験に合格する。「佐々木杜氏の思いを引き継ぎ、南部杜氏の技術、伝統を守りながら、皆様に喜ばれる酒を醸していきたい」と関谷氏。ベテラン杜氏の後を引き継ぐというプレッシャーを跳ね除け、頑張ってもらいたい。
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蔵元情報
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